ブラウザー・フィンガープリントについて知っておきたいすべてのこと

Nikita
Nikita
2022年6月10日
ブラウザー・フィンガープリント(browser fingerprint)は、比較的新しい用語ですが、すでにインターネットを席巻しており、ユーザーは、ブラウザー・フィンガープリントとはなんなのか、その機能や、知っておくべきことについて、熱心に情報を求めています。たまたまブラウザー・フィンガープリントについて聞いたことがない無数のオンラインユーザーのひとりだったとしても、心配はいりません。あなただけではないからです。
 
 
 
ブラウザー・フィンガープリントとは、簡単に言えばブラウザの活動を識別することで、オンラインユーザーの活動を追跡する非常に正確かつ精度の高い方法です。インターネットで何かをすると、いたるところに「指紋」が残ります。この指紋によってユーザーを追跡することができるのです。幸い、指紋を拭き取る複数の方法があるので、心配には及びません。
 
 
ブラウザー・フィンガープリントとは
 
ブラウザー・フィンガープリント の最も簡単な定義は、リモートコンピュータから収集される情報です。これは、個々のオンラインユーザーとデバイスの識別を唯一の目的として収集されます。多くのWebサイトでは、オンラインユーザーの活動を追跡するためにクッキー(Cookie)を使用しています。
 
ブラウザー・フィンガープリントを使えば、こうしたWebサイトはクッキーを無効にしても、あらゆるオンライン活動を追跡することができます。
 
基本的に、スマートフォンまたはラップトップを使ってインターネットに接続するたびに、受信サーバーは、ユーザーのデバイスからオンライン活動について特定のデータを受け取ります。
 
これはオンラインユーザーに関する情報を収集する非常に強力な方法で、画面の解像度や言語、タイムゾーン、アクティブなプラグイン、オペレーティングシステム(OS)、使用しているブラウザの種類やバージョン、およびどの設定がアクティブになっているかなどがわかります。
 
 
ブラウザー・フィンガープリントと広告
 
Webサイトはブラウザー・フィンガープリントを用いて、ユニークユーザーのオンラインでの行動を追跡します。まず、ユーザーを識別してから、次に追跡します。このプロセスが、ブラウザー・フィンガープリントと呼ばれているものです。ブラウザー・フィンガープリントは、警察が指紋を用いて犯罪者や容疑者を識別するのと同じように用いることができます。ブラウザーの情報はそれぞれ完全に独自で、 まったく同じブラウザー・フィンガープリント が存在する可能性は非常にわずかです。
 
ちょうど、本物の指紋にふたつとして同じものがないように、ブラウザー・フィンガープリントも同じものがありません。ウェブサイトは、広告をターゲットユーザーに表示するために、ブラウザー・フィンガープリントを使用します。マーケティングマシンや世界中の広告業界は、ユーザーの個人データを欲しがっています。ユーザーのオンライン活動に基づいて効果的な宣伝を表示するために、オンラインでユーザーが何をしているか知る必要があるのです。
 
データの収集と追跡方法は、ユーザーを嗜好に基づいてプロファイリングするために非常に重要です。ユーザーを知れば知るほど、適切に広告を表示することが容易になり、主な目的である収益を増やすことに繋がるのです。
 
 
追跡方法
 
ウェブサイトがインターネット上のオンラインユーザーの行動を追跡するためには、異なる方法が複数用いられます。最新かつ最も革新的な技術のおかげで、Webサイトは、ユーザーがインターネットにアクセスするのに使用するウェブブラウザーから情報を取得することができます。
 
 
クッキー(Cookie)
 
最も一般的かつよく知られたトラッキング方法は、クッキーを使用することです。実際にクッキーは、データを取得する最も一般的な方法です。コンピュータには小さなテキストファイルが保存されており、ユーザーがインターネットにアクセスするたびに、ウェブサイトはクッキーを使ってコンピュータから貴重なデータを抽出します。オンラインユーザーは、最高のユーザー体験を得るためにクッキーを許可する必要があると信じさせられます。
 
 
 
コンピュータにクッキーを読み込むことによって、Webサイトはユーザーのデバイスやコンピュータを追跡し、オンラインでの行動や活動を分析することができるのです。ユーザーが初めてWebサイトに訪問すると、サイトはクッキーをダウンロードします。
 
後日、ユーザーが同じサイトを再訪すると、ウェブサイトは、ユーザーの好みに合うようにカスタマイズされ、パーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを提供するためにクッキーデータを参照します。クッキーはユーザーの興味や習慣、とりわけ活動に関するデータを保存しているからです。
 
 
IPアドレスとブラウザー・フィンガープリント
 
オンラインでのプライバシーを保護したいならば、オンライン活動とアイデンティティを隠す方法があるというのは、喜ばしいことでしょう。最善の方法はIPアドレスのようなデータを隠すことです。IPアドレスのプロトコルは、リクエストを送ったWebサーバーに応答するために、サーバーがユーザーのIPアドレスへアクセスすることを許可します。
 
要するに、ユーザーがオンラインサービスやWebサイトにアクセスする時、サーバーはユーザーからのリクエストを受信して、その通りの結果を提供しているのです。IPアドレスは、リクエストがどのデバイスから送信されたのかを示します。
 
このプロトコルを使用すれば、企業はユーザーの地理的な位置、ログインに使用したアカウント、すべてのオンライン活動を追跡することができます。幸い、最近ではPanopticlickなどの、非常に便利なツールを使ってブラウザを検証することができるようになりました。これらのツールを使うと、利用中のブラウザのデータがどれほどユニークかを判断することができます。以下は、検証できる項目のうち主なものです。
 
 トラッキング広告のブロック
 目に見えないトラッカーのブロック
 ホワイトリストトラッカーのブロック
 「追跡禁止」を尊重するウェブサイトに対するブロック解除
 ブラウザー・フィンガープリントの適切な保護
 
 
ブラウザー・フィンガープリントの防御策
 
この種の追跡を完全に防ぐのは不可能ですが、ブラウザが識別されるのを回避し、オンラインプライバシーの強化もできる非常に便利なツールがいくつかあります。最も効果的にプライバシーを保護する方法は次のとおりです。
 
• プライバシー重視で、かつ常識的な範囲で使えるブラウザを使用する。Firefoxはかなりお勧めですが、Braveブラウザーのようにさらに優れたプライバシー機能を備え、デフォルトで強力なフィンガープリント・ブロック機能を持つブラウザーもあります。あまり使われていないブラウザーや、目新しいブラウザは、フィンガープリントが識別されやすくなる可能性が高くなるため避けましょう。Torブラウザもお勧めできますが、必ずデフォルトの設定のまま使用し、カスタマイズは避けましょう。
 
• ブラウザー拡張機能は使用しないか、どうしても必要な場合は一般的な拡張機能のみ使う。珍しい拡張機能を使用すれば、識別されやすくなる可能性を高めます。
 
• 送信するメタデータは最小限にする。マイクやカメラのステータスやタイムゾーンなど、不要なデータを送信することを禁止し、WebGLを無効にします。可能であれば、ごく一般的なサイズと解像度のモニターを使用しましょう。
 
• ブラウザーを仮想マシン上で使う。本当のブラウザーがわかりにくくなります。可能であれば、仮想マシンの設定を毎回異なる設定に変更すると、さらに保護を厚くできます。言うまでもなく、マルチホップVPNを併用することもできます。
 
ブラウザー・フィンガープリントは、基本的にユーザーのオンラインプライバシーと個人情報を危険にさらすものではありませんが、たくさんの最適化広告に、そのうちうんざりさせられる可能性はあります。上記の方法で、効果的に身を守り、追跡される心配なしに最適化されたブラウザを使ってインターネットを楽しむことができます。