IPv6対応VPNが必要な理由

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2022年5月30日

 

インターネットの話になると、いろんな考えが心に浮かぶでしょう。好みや職業、趣味などによって、考えることは様々なはずです。そうした話題のなかで、今や大きな注目を集めているのは、インターネットを利用する時のプライバシーの問題です。

 

日々のニュースに、データの窃盗やアカウントのハッキングやインターネットに不正侵入されや監視されていた人の話などで持ちきりです。このため、オンラインのセキュリティ強化に対する人々の意識も高まっています。

 

オンラインセキュリティを確保しつつ、あるいは匿名を維持しつつネットサーフィンをする方法はいくつかあります。プライバシーを重視した検索エンジンを使ったり、プロキシサーバーを利用したり、VPNを利用する最も安全性の高い方法もあります。

良くわからないという方のために、仮想プライベートネットワーク(VPN)は、プライベートローカルエリアネットワークを複製して、パブリックネットワーク(インターネット)に接続するものです。 VPNがデータを暗号化するため、インターネットに匿名で接続することができるのです。かなりの数のVPNサービスがあり、無料サービスのTunnelbearや、ExpressVPNNordVPNなどが特にお勧めです。

 

しかしVPNを使用しても、100%安全ではないことをご存知でしょうか。

 

携帯電話やコンピューター、ゲーム機など、インターネットに接続されるあらゆるデバイスは、固有のIP(インターネットプロトコル)アドレスを持っています。これはインターネットが機能するための仕組みの一種です。インターネットを介して送信されるデータには通常、送信側(装置)と受信側の2つのIPアドレスが含まれ、IPアドレスによって、デバイスの種類と、デバイス(またはデバイスのユーザー)の具体的な位置を識別することができます。IPアドレスが非常に重要なのはこのためです。

現在のインターネットでは、おもに1983年頃から使用されているインターネットプロトコルのバージョン4(IPv4)が使用されています。これは32ビット10進数で構成されるIPアドレスシステムです(207.220.167.67のような数字列になります)。

 

近年の技術的進歩でインターネットに接続するデバイス数はどんどん増えており、また複数の大企業が大量の未使用IPアドレスを保有しているため、IPアドレスは世界的に枯渇しつつあります。

このため、より長い128ビットバージョンの最新IPアドレスシステムであるIPv6への移行が進められています。 IPv6を利用すれば、利用できるIPアドレスの数は劇的に増加します。当分枯渇することはない量だと言って良いでしょう。一般的なIPv6アドレスは、2001:0db8:0000:0042:0000:8a2e:0370:7334のようなものとなります。

 

 

 

この移行はインターネットに取っては良いことですが、大多数のVPNサービスにとっては、多少なりとも問題です。IPv6に移行するためには、新しいサーバーソフトウェアと機器が必要ですが、これらは高価で、あまり使用されていません。こうした理由から、大多数のVPNサービスでIPv6への移行が進んでおらず、サーバーネットワークの対応も同様に遅れています。通常サーバーのアップグレードにはお金がかかり、そのためほとんどのVPNサービスは、IPv6に対応した高品質サーバーの提供には及び腰です。

これによるユーザーへの影響と、なぜIPv6をサポートしているVPNを選ぶ必要があるのかについて、以下で説明します

 

1. 危険にさらされる可能性がある
IPv6アドレスを使用しつつVPNを利用する場合、特に無料またはサービス料金が安いVPNサービスだと、IPアドレスが危険にさらされる高い可能性があります。VPNプロバイダのサーバーがIPv6アドレスに対応していない、または自社のVPN経由のIPv6トラフィックを無効にしているといった理由で、IPアドレスが漏洩する高い可能性があるのです。プライバシー保護に関して懸念があるVPNプロバイダは日々増え続けています。これがIPv6に対応したVPNサービスを利用すべきもう一つの理由です。

 

 

2.ドメイン名ハイジャックを防止できる
IPアドレスが漏洩したVPNプロバイダのほとんどが、IPv6ドメイン名ハイジャックに対しても脆弱であったことが、徐々にわかってきました。これは、ほとんどのVPN業者が、IPv6の通信に対してVPNを経由させないようにしていることと関係がある可能性があります。

この方法が一般的になることでユーザーに多くの問題を引き起こしたため、VPNプロバイダは、顧客のプライバシー保護を改善するためにIPv6に対応すべきだと判断しました。ExpressVPNやNordVPNなど一部のVPNは、IPv6のトラフィックを処理することができます。他の業者は、IPアドレスの漏洩を防ぐためにIPv6の通信を無効にするよう、ユーザーに勧めています。
 

 

3. オンラインの自由を享受できる
VPNを使う理由はいろいろです。ウェブサイトを訪問するたびに、IPアドレスというデジタルな足跡を残すことになります。 ハッカーなら誰でも、この情報を使ってユーザーのデバイスに侵入することができます。ファイルやパスワードを盗むかもしれません。本物のIPアドレスの代わりにVPNが提供するIPアドレスを使うことで、効果的にプライバシーを守り、完全
な匿名になることができます。

 

またVPNを使用すれば、制限されたコンテンツを楽しむこともできます。 しかし、こうしたことは、IPv6に対応しているVPNでなければ、不可能に近いことです。最初の項目で述べたように、本物のIPアドレスが漏洩すると、インターネット上の活動すべてではないにしても、一部が不適切な人物の手に渡る危険があるのです。 IPv6をサポートするVPNを使えば、確実にオンライン上の自由を享受できます。
 

ほとんどのVPNはIPv6接続をサポートしていないため、IPv6に対応したVPNが必要ならば、料金を支払う前に、必ずネット上で良いサービスを見極めましょう。
 

利用中のVPNがIPv6に対応しているかどうか、わからないのは当然です。しかし、IPアドレス漏洩の可能性をテストする方法があり、複数のツールがウェブ上に公開されています。そうしたツールでVPNでのIPアドレス漏洩をテストすることができます。ツールを使用した時に、自分のIPアドレスまたはISPのIPアドレスがページに表示されたら、今使っているVPNはプライバシーを完全に保護していないのです。
 

VPNプロバイダがIPv6に対応しているか、少なくともIPアドレスが漏洩しないように保護されているかを、常に確認すべきです。そうでない場合は、違うVPNサービスを利用するか、PCの設定でIPv6を無効にしましょう。